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ドリアーノ・スリスの言葉


琵琶という楽器をご存じでしょうか。
見たことはあっても、実際に演奏を聴いた人は意外に少ないのではないでしょうか。

この楽器、起源はペルシャあたりで、中国を経て日本に伝わってきました。遠く奈良時代のこと。以来、芸能や祈りの場で、琵琶はなくてはならない楽器となりました。
とくに中世、あの「平家物語」を携えて各地を放浪徘徊した琵琶法師はよく知られています。 彼らは、世の栄華と無常を奏で、多くの人たちの心を揺さぶったのです。 筑前琵琶は、明治中期から昭和初期にかけ優美で艶やかな音色で大変な人気を博しました。 その筑前琵琶が、いま存亡の淵に立っています。琵琶づくりの担い手が途絶えようとしているからです。 そこで「ドリアーノ琵琶プロジェクト」を立ち上げ、琵琶の学校「琵琶館」を開くことにしました。 琵琶という楽器や音楽をもっと知ってほしいという願いもありますが、 何より筑前琵琶の製作を守っていきたい、と同時にその技術で他の種類の琵琶の修復もできるようにしたい。 「琵琶館」は、そんな場を目指しています。
2020年にクラウドファンディングを行い、多くの方々よりご支援・ご協力をいただき、 ようやく実現する運びとなりました。 本当にありがとうございます。 「琵琶館」ではまず、琵琶全体を製作することから始めます。 製作ができれば、修復はそれほど難しいことではありません。 もちろん琵琶づくりだけに限りません。ゆくゆくは、演奏や語り、歴史なども学べるようにしていきます。 そして、少人数でもお互い心の通った学びの場にしたいと考えています。
日本に来て、はや46年になりました。 普段はイタリア会館・福岡を主宰して、イタリア語を教えたりイタリア文化を紹介したりしています。 来日してすぐに琵琶の音色に心を打たれ、 無形文化財保持者の吉塚元三郎先生に師事し、 「最後の琵琶法師」と謳われた山鹿良之師と出会い、今日までずっと琵琶に関わってきました。 私は、教えていただいたたくさんのことを日本の人たちに伝え残したいのです。

ドリアーノ・スリス

ドリアーノ・スリス(琵琶製作・修復職人)
一九四七年、イタリア・サルデーニャ生まれ、ローマ育ち。国立ローマ=サンタチェチリア音楽アカデミークラッシックギター科を専攻。オテロサルツィ人形劇団を経て一九七一年ドリアーノ人形劇団設立。人形製作、脚本、演出を手掛ける。  一九七四年来日。翌年吉塚元三郎先生に琵琶造りの弟子になり、また、玉名のもう盲僧琵琶法師、故山鹿良之氏と出会い、生き方や語りに魅了され、親睦を深めた。 一九八一年、イタリア文化センター(現・イタリア会館・福岡)を設立。伊語講座、通訳・翻訳、「トリノ四重奏団」などの音楽会、琵琶ライブ、映画上映会など日伊の文化交流に努める。 「エドゥアルド・デ・フィリッポ 戯曲集」訳・出版。会館での講座、九州大学や西南学院大学などでイタリア語を教えた経験を生かし、独自の教科書「見て解るイタリア語」(編著)を出版。 琵琶奏者や九州芸術工科大学音響学科が研究のために依頼した薩摩琵琶、熊本県島田美術館の平家琵琶、笹琵琶などの修復も行う。現在も日々、琵琶の製作・修復・研究に取り組んでいる。


筑前琵琶

薩摩琵琶

肥後琵琶

盲僧琵琶

楽琵琶

平家琵琶

正倉院の琵琶

中国琵琶

Chikuzen biwa
Satsuma biwa
Higo biwa
Moso biwa
Gagaku biwa
Heike biwa
Chugoku no biwa






2020年に クラウドファンディングを実施しました。
企業・団体スポンサード6件、個人でのご支援を505件、賜りました。
本当にありがとうございます。
Mille grazie a tutti.

中村玲子さま ・ 高橋政憲さま ・ edamameさま ・ ジュウア多恵子さま  ・ LiuXiumeiさま  ・ 野口春河さま  ・ 雨音さま  ・ ダメダ商事さま









 






ドリアーノ琵琶プロジェクトは琵琶に関するイベントを催しています。

2021年はコロナの状況をみながら計画中です。




《満席御礼》 BIWA MONOGATARI VOL.4
琵琶ライブ
尾方蝶嘉 at Spazio Art Gallery
2020年 12月 5日 土曜日 15:00






 

琵琶製作教室のご案内

●概要
琵琶製作教室は、琵琶製作・修復の技術を後世に継ぐことを目的とした教室です。 40年以上に渡り、琵琶製作・修復に携わってきたドリアーノ・スリスの技術を元に、一人一人のペースに合わせながら、 最初の1年目は、道具の扱い方、研ぎ方、仕込み方、木の見方、 それから段階的に課題の製作、部品の試作や治具製作等を経て、 3年後には琵琶を一から製作できる技術を習得することを目標にして指導します。 また、技術だけでなく琵琶の歴史・文化にも折々に触れ、造詣を深めていきます。 時には琵琶の音色を聴きながら、木や道具に親しみ、楽しみながら取り組んでいきましょう。

●スケジュール
毎週月・金曜日に開講します。
13:30~15:30 教室
16:00~18:00 自習
18:30~20:30 教室
※予約制で、週1回や月2回等ご自身のペースで進められます

●費用
年間費(12ヶ月間)、教室受講料、自習利用料

●その他
初級工具支給、傷害保険への団体加入あり

●受講へのステップ
まずは琵琶館へお問合せください。折り返し詳細をお知らせいたします。
その後、履歴書や申込書のご提出、ドリアーノ・スリスとの面談をお願い致します。
そして初回のご予約、お支払い手続きへと進みます。

●問合先
琵琶館窓口
HP/biwakan.com
MAIL/info@biwakan.com
TEL/092-406-0103
〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-18-24 季離宮 中離宮2F


■琵琶製作教室プレオープン終了
令和3年10月よりスタートする正式オープンに先立ち、3月~7月の期間限定で実施しておりましたプレオープンが終了しました。 コロナ対策として検温・常時換気等の対策を講じつつ、各回1時間で2人までの参加と制限し、合計31回のべ54名様にご参加いただきました。 鉛筆や白柿での墨付けから始まり、鋸の特性や使い方、鉋の仕上げ削り体験、 鑿を用いた簡単な木工加工や刃物研ぎを経つつ、 時には琵琶の音を聴ききながら本物の琵琶やその部品・原木に触れ、 無事に事故や怪我なく終えることができました。

2021年10月に正式オープンしました。

修理と修復
修理は不具合が出た場所を音に影響がない範囲内で直す作業であり、修復はその琵琶をつくった製作者の想い、音へのこだわり、美的感覚まですべてを可能な限り再現することです。 そのため修理と修復はまったく作業の深さが違うのです。もちろん費用は修復の方が値は張ります。しかしその琵琶が良いものであればあるほど修理ではなく修復で製作当時の琵琶を限りなく再現したいと思います。

Shop 近日オープン!


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BIWA KAN - 琵琶館
Tel. 092-406-0103
〒810-0021 福岡市中央区今泉1-18-25
季離宮(ときりきゅう)
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